2013.10.25
社員コラム
しっかり休めていますか?第3回
著者:宝泉 博章
暦の上ではすっかり秋ですが、暑い日があったり台風がきたりと微妙に秋を感じにくい気候になっていますね。欧米では今月末はHalloweenです。わたしも子供と毎年かぼちゃのランタンをつくろうと言っていますが、どうも計画倒れになっています。来年こそきっと……なんて鬼が笑いそうです。
2回にわたって、お休みについての話をしてまいりました。今回は連載の最後なのですこし切り口を変えてみました。休むことと切っても切れない、「睡眠」についてお話したいと思います。
というのも、終戦後から日本人の睡眠時間は短くなる一方で、すこし改善された時期はありましたが、近年も減少が進んだという厳しい結果がでています。ほとんどの日本人は睡眠不足ではないのかなと思ったので、このお話をしてみようとおもいました。
週末の朝、どうしてもパッと起きられない。どうかすると気づいた時にはお昼近く……。これはひょっとすると短時間睡眠が臨界点を迎えているサイン、睡眠力のブレーキがギリギリ限界まで達している可能性があります。どんなひとでもちょっとした原因で睡眠が邪魔されることはあると思いますが、睡眠不足が長く続くようだとちょっと問題です。
次のようなことはありませんか……?
1、自分の日々の睡眠に満足できていない。
2、日中に猛烈な眠気を感じたり、頭痛、イライラ、胃腸のトラブルなど
の心身の不調を感じたりしている。
この2つの条件が恒常的につづくようであれば、重度の睡眠障害かもしれません。はやめの改善をおすすめします…。睡眠時間が短いと「肥満」になりやすく、「高血圧」や「糖尿病」などの病気を招くというデータもあります。睡眠不足はわるいことばかりで、よいことは一つもないようです。
さて、不眠症といわないまでも、睡眠に満足されていないひとは大勢いらっしゃると思います。7時間は眠ったほうがよいなどと言われますが、実際にはすべてのひとに当てはまる適正睡眠時間というのはありません。アインシュタインのように毎日10時間以上も眠るロングスリーパーの方もいれば、エジソンのように6時間以下の眠りでいいショートスリーパーの方もいらっしゃいます。ようは、睡眠の質の問題なのです。
睡眠の質を高めるということは、ちょっとしたことで実行できます。
以下いくつかあげてみました。
・就寝時間3時間まえの入浴がベスト!!!
睡眠状態にはいると体温は低下していきます。入浴によって体温を高め
ておくことで、下降していく体温との落差が生じて、安らかな睡眠につ
くことできます。
・自宅の照明は暖色系のものを。
意外に光情報は睡眠を阻害します。そのほとんどは青色の光に由来する
ものです。一方で暖色系の光を浴びるのもあまり悪い影響はでないとの
こと。携帯やPCも青色系の光がでていますので、ふとんまでの持ち込
みはおすすめできません。
・眠る前にはホットミルクがおすすめ!!
睡眠導入に必要なメラトニンの分泌が促されます。お肉や赤みのお魚も
よいようです。炭水化物も快眠には必要です。極端に制限することは睡
眠不足に陥ることになるかもしれませんのでご注意を。
・日中はできるだけカラダを動かしましょう!!
体内時計をつかさどる時計遺伝子はすべての細胞に中にあることがわか
っています。運動で骨や筋肉に負担がかかることが、カラダの内部に働
きかけ適切な時間調整を行うことができます。
睡眠はひとにとってどうしても必要な「お休みの時間」です。ストレスや紫外線、活性酸素に痛められたカラダを修復し、シャワーのように浴びたあふれんばかりの情報をリセットして整理していく作業を行う大事な時間です。言いかえればカラダ休息と脳の休息の時間。そのシグナルともいえる「眠気」は生物としての危険回避の信号ということになります。睡眠をただ眠ることとしてしまうのではなく、ひととして健やかに生きていくために必要不可欠な時間・活動だと認識していただくことが、いま必要なのかもしれません。
睡眠不足になりがちな現代人のみなさま。いきなりベッドに入る時間を早くすることは難しいかもしれませんが、ほんの30分早めるくらいならば、やってみられるのではないでしょうか?しかも、毎日でなくてもいいのです。できることから取り組んでいくぐらいの姿勢が、睡眠と上手に付き合うコツでしょう。なんといってもわたしたちは、まさに最後まで睡眠と縁を切ることは不可能なのですから。
では、質のよい睡眠で・・・・よりよい「お休みの時間」をおすごしください。おつきあいありがとうございました。
武生事務所 宝泉博章