2021.06.22
社員コラム
私たちができること
著者:田畑 芳春
昨年、お客様がお亡くなりになられました。
このお客様は明るく気さくな方で17年前に私がお客様の担当になって間もない時から、アポを取ってご自宅にお伺いすると、いつもデザートを用意していただいて手続きの後はコーヒを飲みながら話に花が咲き楽しい時間を過ごさせて頂きました。まだ高校生ぐらいだった娘さんと顔を合わせた時には「こんにちは」と挨拶をしていました。
ある手続きにお伺いした時、私は「生命保険の備えは大丈夫ですか」と問いかけますとお客様は「健康だけは自信があり病気やけがでも一度も入院もしたことがないから大丈夫」と笑って言われました。でも私は「万が一の時に娘さん達に苦労を掛けないようにと葬式代と、女性のがんのリスクは若いうちは男性より高いのでせめて月1500円ぐらいで備えをしておいたほうがいいですよ。」と女性のがんのリスクを熱心にご案内しました。「そこまで言うならと」内容をご理解いただき90歳までの死亡保険と10年更新型のがん保険のお手続きをいただきました。
10年後のがん保険の更新のご案内の際には、お客様は一般の入院を心配されて医療保険に入ることを検討されました。しかしガンの保障については収入の面と今までずっと健康であることを理由に「もういらないと」がん保険はやめるといいました。私はそれでしたら「超保険のがん診断給付金100万円プランでしたら月2、3百円の追加でできますので、せめてこれだけは付保しておいてください」と強くお伝えし、「そこまで言うなら」と、3大疾病入院無制限の特約を付けて医療保険と一緒に手続きしました。
その後、3年前の2月にお客様からお電話をいただきました。その時はいつもの違う感じのゆっくりとした口調で「私、がんになったみたい。ご面倒かけますが保険請求手続きお願いします」という言葉でした。その後給付金請求の手続きに何回か自宅に伺い、昨年の3月には2回目のがん診断給付金の請求の手続きもしました。
その後、昨年の夏ごろコロナ禍もあり訪問も控えていた頃、「またがんで入院しますので給付金手続きお願いします」と本人から電話がありました。早速請求書類を長女と同居されている自宅のポストに入れて帰りました。
その数日後に新聞のお悔やみ欄にお客様が掲載されていました。私は胸に穴が開いたような気持ちのままでお通夜に向かいました。そこには娘さん達と60代ぐらいの男性が喪主の席で参列された方に頭を下げていらっしゃいました。娘さんやその男性も私に気づき深々と頭を下げていらっしゃいました。
その後、初七日の備え花をお届けにお伺いしたときに、娘さんから、私と父親の保険の相談に乗ってほしいと言われました。その後保険をお手続きいただきました。
その手続きが済んだあと私は娘さんに「お母さん、何とか入っていた保険で対応できましたかと」お聞きすると「おかげさまで何とかなりました」と言っていただきました。
私はこれからもお客様に人生のリスクについても熱心にご案内して、辛いことや嬉しいことなども一緒に分かち合えることができるようなお客様とのお付き合いを続けてゆきたいと思います。