2014.03.14
社員コラム
私の癒しの時間
著者:田畑 芳春
一日の仕事を終えて、我が家に帰ると心身共に疲れた私を癒してくれるのは何といっても愛猫です。
猫を飼い始めたのは長男が高校一年の時アルバイトをしてお金がいくらか貯まった秋のことでした。息子は自分がお金を負担するので猫を飼いたいと言いだしました。私は正直ペットを飼うのは世話が大変だし、また我が家はその当時は新築して間もないの頃なので家の中を傷つくのが心配で断固反対でした。それでも息子があまりにお願いしてくるので頭ごなしに反対するのも良くないかなと考え、どんな猫を欲しがっているのか下見に行って話だけを聞いて後で断ればいいだろうと思い、息子が欲しがっている猫がいるペットショップに行きました。
店内には数匹の犬や猫が展示してある小さな部屋が数部屋ありました。その部屋の中のひとつで二匹の子猫が無防備におなかを出して仰向けの状態でこちらを見つめています。その種類はアメリカンショートヘア。色はブラックがかった雌とブラウンがかった雌。しばらくその子猫を家族で見つめていると店員さんから「一度抱いてみますか」と声をかけられました。私は「冷かしでもいいか」と思いながらとりあえず抱かせてもらうことにしました。最初にブラックがかった子猫・・・やはりペット扱いに慣れていない私のこと、なかなか子猫は私の腕の中で落ち着こうとしません。その後また店員が「ではこちらの方もいかがですか」と今度はブラウンがかった子猫を勧めてきます。私はついでだからと勧めるままにその猫を抱かせてもらいました。
どうせこれもすぐに落ち着かなくなり逃げようとするだろうと思っていました。しかし何とこの子猫は一向に離れようとせず、それどころか心地良さそうに私の腕の中でおとなしく眠り始めました。それまであまり猫を抱いたことがない私にとっては何とも言えない温かい気持ちになりました。店員さんは「この子猫はお客さまに対して安心しているのですね」と私に声をかけてきました。私がその子猫をしばらく撫でていると、息子は「猫の世話は必ず僕がするから僕の部屋からは出さないようにするから」とせがまれました。私もそこまで言うならと猫を飼うことを了承しました。
あれから4年、・・・その後はどうなったかというとご想像通りです。新築の家の中は掻き傷だらけ、猫の毛は落ち放題、飾っていた置物は無残な姿という有様です。あれだけ言っていた息子も今では全く世話はしません。
現在では私が仕事を終えて家に帰って食事のあと寛いでいるとその愛猫がクリっとした眼で私を見つめて爪をたてて私に寄ってきます。私は一日の疲れでくたくたなので勘弁してほしいと思いながらも仕方なく猫をあやすおもちゃで構ってあげます・・・いや猫が私を構ってくれているのか・・・?子猫であった時にはジャンプの訓練の毎日でした。今は若干運動不足で太ったからなのか高さもキレもありません・・・。そういった運動の後、愛猫は一変して愛らしい目で喉をグルグル鳴らしながらソファーで寛いでいる私にすり寄ってきます。そして私によじ登ってきて胸のところで眠ろうとします。
今ではこのひとときが私にとって貴重な癒しの時間となっています。
そして、このひとときが誰も相手にしてくれない淋しい親父の数少ない家族との時間になっています。
福井事務所
田畑 芳春